中学1年生の息子に、学校の課題で「バジルの水耕栽培」が出された。
種をまいて、毎日少しずつ成長を観察する。
そんな課題だった。
最初は順調だった。
双葉が顔を出し、「おっ、育ってる!」と思っていたのも束の間。
1か月後には見事に全滅。
枯れたバジルだけが残っていた。
でも、まだ種は残っている。
「成長日記もあるし、もう一回植え替えたら?」
そう声をかけると、息子はあっさり言った。
「植え替えたよ。」
……え?
見ても何も変わっていない。
よく聞くと、枯れたままのスポンジも容器もそのままで、新しい種だけを蒔いたらしい。
「一回きれいに洗って、最初からやり直したほうがいいんじゃない?」
つい口を出してしまう。
すると息子は迷いなく一言。
「大丈夫!」
その一言を聞いても、私の心はまったく大丈夫じゃない。
本当にそれで育つの?
正解は私にも分からない。
もしかしたら、そのままでも育つのかもしれない。
でも、なんとなく違う気がしてしまう。
全部洗って、最初からやり直したくなる。
だけど、これは息子の宿題。
親が手を出してしまったら、それはもう息子の課題じゃなくなる。
そう思って、ぐっと我慢した。
子どもが小さい頃は、転ばないように手をつないでいた。
少し大きくなると、転んだら起こしていた。
そして中学生になると、転ぶかどうかも見守るしかなくなる。
親の仕事って、子どもの成長と一緒に変わっていくんだなと思う。
……とはいえ。
毎日バジルを見るたびに、
「本当に育つのかな。」
そんなことばかり考えてしまう。
あとは息子を信じるしかない。
……それが、一番難しい。
息子の「大丈夫」が、一番信用できない。
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