喜びの場所が変わっただけ

先日、給料日だった。

昔は給料日が好きだった。

通帳を見て、

「何を買おうかな」

「どこに行こうかな」

と考えるだけで楽しかった。

ところが最近は違う。

給料が振り込まれても、嬉しさがあまりない。

住宅費、光熱費、通信費、食費。

子どもたちにかかるお金。

振り込まれたお金は、あっという間に引き落とされていく。

働いているのに何も残らない。

そんな気持ちになることがある。

少し残念だった。

昔の私は、給料日を心待ちにしていたのに。

そんな話をしたとき、

「喜びの場所が変わっただけじゃない?」

と言われた。

最初はよく分からなかった。

でも考えてみると、確かにそうなのかもしれない。

最近の私は、給料日以外のことで喜んでいる。

noteの記事にスキがついたとき。

コメントをもらったとき。

思いがけない人に読んでもらえたとき。

娘から、

「最近あんまり怒らないよね」

と言われたとき。

先日は一人で映画も観に行った。

映画を観たところで、お金は増えない。

洗濯物も減らない。

家のことが片付くわけでもない。

だけど映画館を出たとき、私は満たされていた。

若い頃のように、買い物や外食でワクワクすることは減った。

その代わり、小さな楽しみや誰かとのやり取りに喜びを感じている。

変わったのは、お給料ではなく私の方なのかもしれない。

もちろん、もう少し通帳の残高が増えたら嬉しい。

それは今も昔も変わらない。

ただ、最近気づいた。

お金は残らなかったけれど、

映画を観た時間は残っている。

娘に言われた言葉も残っている。

誰かとのやり取りも残っている。

喜びがなくなったわけじゃない。

ただ、その場所が少し変わっただけだった。
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