毎日、悩みは尽きない。
仕事のこと。
お金のこと。
子どものこと。
「これで一安心」と思ったら、また次の悩みがやってくる。
そんな毎日なのに、その日の夜は家族みんなが自然と同じ部屋に集まっていた。
「暑い。」
「エアコン寒くない?」
「お茶ある?」
それぞれが好き勝手なことを言って、誰も寝ようとしない。
私はその様子を、ビールを飲みながらぼんやり眺めていた。
少し前までは、「早く寝てよ」と思うだけだった。
でも、その日はふと考えた。
こんなふうに家族全員が同じ部屋で過ごす時間って、あと何年あるんだろう。
子どもたちは少しずつ大人になって、自分の時間が増えていく。
友達との約束が優先になったり、部活や勉強で忙しくなったり。
いつか、「みんな同じ部屋にいる」が特別なことになる日が来るんだろう。
だから今は、この何気ない時間を大切にしたい。
特別なイベントじゃない。
旅行でも、外食でもない。
「暑い」「寒い」と言い合いながら、なかなか寝ない家族を眺めているだけの夜。
幸せって、こういう何気ない日常の中に、そっと隠れているのかもしれない。
そのことに気づけた夜だった。
幸せは、こんな夜に。
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