朝から散髪に出かけた夫が、帰ってきたのは夕方だった。
連絡は一度もなし。
理由は「何も考えてなかった」。
聞いた瞬間、言葉を失った。
怒りというより、呆れに近い感情だったと思う。
こっちは、家族の動きや予定をなんとなく頭に入れながら過ごしている。
だからこそ、ひとことの連絡がないだけで、「私は考えられていない側なんだな」と感じてしまう。
腹が立ったので、私は歯を磨いて早めに布団に入った。
そして、ふと思った。
「じゃあ、私も何も考えないでみよう」と。
シンクには、夕食後のお茶碗がそのまま。
いつもなら何も考えずに手が動くところだけど、その日は違った。
そのままにして、寝室へ。
しばらくしてリビングから水の音が聞こえた。
夫がお茶碗を洗っていた。
たぶん、深い意味なんてない。
ただ、そこにあるものに気づいて、やっただけ。
でもそれでいいのかもしれないと思った。
今まで「考えなくても回っていたこと」が、
少しだけ止まっただけで、ちゃんと誰かが動く。
全部を抱え込まなくても、意外となんとかなる。
むしろ、抱え込みすぎていたのかもしれない。
「何も考えてなかった」
その一言に腹は立ったけれど、
結果的に、自分の持ち方を見直すきっかけになった。
これからは少しだけ、考えない時間を増やしてみようと思う。
夫にモヤモヤ
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